ヤスリ・切削工具のことなら ツボサン株式会社

ヤスリができるまで UNTIL YOU CAN
ヤスリができるまで

ものづくり現場を支える、変える、ツボサンヤスリ

全国シェア9割を誇るヤスリの一大産地・呉市仁方で、ツボサンは年間数百万本ものヤスリを生産しています。
「お客さまが本当に必要としているものを」との想いから、より作業しやすく、より幅広い被削物に対応できるようにと開発・製造してきたヤスリは、実に2,000種類以上にのぼります。

膨大な数量を生産する中でも徹底しているのが、常に品質が保証されたヤスリをご提供することです。
思い通りに削れて、目詰まりしない。握りやすく、疲れにくい。一度使えば、その使い勝手の良さと性能の高さに手放せなくなるツボサンのヤスリ。その秘密は、職人たちの丁寧で誠実な手作業と、磨き上げられた技術力・目利き力にあります。

人の「手」と「目」がなければ、良いヤスリを作ることはできません。そのためツボサンではベテラン職人から若い世代の職人たちへ、創業以来培ってきた技術とノウハウを継承し続けています。

01

鍛造成型

長大な鋼材を裁断し、柄の部分を形作る「コミ抜き」加工をしてから、鍛造成型します。
高温で危険なこの作業は、完全自動化で効率的に行っています。

02

焼きなまし

圧延された材料を焼きなましして、目立て加工ができるようにやわらかくしていきます。

03

研磨

側面と平面をそれぞれ研磨します。ここで表面が均等になるように磨いておかなければ、ヤスリで最も重要な「目立て」の工程に影響が出てしまうため、高い精度が求められます。
職人が飛び散る火の粉の量を見て判断し、ベストな仕上がりになるまで慎重に研磨機にかけていきます。日々、真摯に培ってきた目利きの経験がものを言う作業です。

04

目立て

目立ては、ヤスリの命ともいえる最も重要な工程です。「鏨(たがね)」と呼ばれる鋼鉄の刃を取り付けた機械を職人が巧みに操りながら、高速でヤスリの「目」を刻んでいきます。
ヤスリの切れ味を左右する鏨は、ツボサン独自の特殊仕様。これまで積み重ねてきたノウハウを活かし、作る製品に合わせて角度や高さ、厚みが異なる鏨を使い分けています。

全自動式の機械もありますが、ツボサンでは基本的に、職人が手と足を駆使して動かす機械で目立て作業をしています。
材料の厚みに差があっても鏨の打ち込み具合を臨機応変に調整できること、生産数が少ない特注品に対応しやすいことなどがその理由です。

製品に合わせて鏨のセッティング位置を調整する作業と、ヤスリに鏨を打ち込んでいく作業。均一に目を刻むためには、いずれも熟練の技が必要となります。
目視での確認はもちろん、手に伝わる振動や小気味よい打刻音などを五感で感じ取りながら正確に、力強く刻むことで、シャープな切れ味を生み出します。

05

焼き入れ

目立て後は、味噌を塗って焼き入れします。仁方をはじめ、日本の伝統的なヤスリづくりに欠かせない「味噌」。焼き入れする前に塗布することで、味噌に含まれる塩分がヤスリを均一に冷却して、完全な焼き入れをサポートするほか、表面硬度を上げるために不可欠な「炭素」を、刃から逃さない効果があります。

味噌の調合はメーカーごとに異なり、企業秘密とされています。もちろんツボサンでも、長年受け継いできた秘伝の味噌を使用。目の粗さによって、塗る味噌の濃さも変えています。
ツボサン然り、仁方のヤスリメーカーに「ツボ」が付く名称が多いのは、門外不出の独自レシピで調合された企業の「宝」ともいえる味噌を、壺に入れて大切に保管していたことに由来しています。また、薬品を塗布するよりも強靭なヤスリが作れるだけでなく、環境にやさしい点も味噌の特徴です。

06

検品

ツボサンでは全数検査を実施しています。製造した全てのヤスリを一本ずつ、人の目でチェックします。
JIS規格の専用器具を使用しながら、焼きすぎていないか、逆に焼き入れが甘くはないか、曲がっていないかなどを目視で見極めていきます。
検品のスペシャリストたちは、傍目には分からないほどのわずかな不良も見逃しません。厳しい検査に合格した製品だけを自社で梱包・発送し、皆さまにお届けしています。